つまらん。はぁ、つまらん。
私って、つまらない。
考えてることも、アイデアも、表現するものも、持ってるものも、好きなものも、、
どれもこれも、つまらない。
つまらないなぁ。今日も明日も明後日も、そう呟いて一日が過ぎていく。
だけど、
自分のことや他のどんなことをも忘れてしまうほど、夢中になってしまうものがある。
それが、この子。
洗濯竿に佇む、つばめ。
家のベランダに、何年か前から、つばめ夫妻がやってきた。
それからというもの。
手を伸ばせば届くところにいる、小さくてパワフルな生命に、我を忘れて見惚れてる。
3月下旬。
チュンチュンチュンチュンッ
「あっ!つばめや!つばめが帰ってきた!!!」
庭にいた私は、飛び上がった。
空を見上げると、大きな翼で、器用に舞うつばめの姿。
喜びに満ちた瞬間。
春がきた。
つばめが告げる、春の訪れ。
春の訪れを、あんなに喜んだのは、今年が初めて。
「海を渡ってきたんだって??(o^―^o)
どんな旅路だったのか、聞かせてよ♪君はイタリアの空を飛んだかい??」
つばめの生態には詳しくないけれど、
あー、つばめと話しがしたいな。
“海を渡ってきた”
それを聞いただけで、物語がはじまるかのように、胸が高鳴る。
この感覚に、つまらないなど何もいらない。